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老衰の在宅看取りで必要な準備とは?夜の不安に備える視点

医療コラム

老衰の在宅看取りで必要な準備は、ご本人の意向を早めに確認し、夜間の不安に付き添える体制とその人らしい時間を整えることです。「自宅で最期まで過ごせるのだろうか」「夜に何かあったらどうすればいいのか」。そう不安に感じながら、老衰の在宅看取りを検討しているご家族は少なくありません。

今回は、老衰の経過や、在宅看取りで準備しておきたい3つのことについてお伝えします。

この記事でわかること

  • 老衰の在宅看取りの準備が早めの意向確認からはじまる理由
  • 老衰の在宅看取りを選ぶ家庭が増えている背景
  • 老衰の経過を知ることが準備の土台になる理由
  • 老衰の在宅看取りで準備すべき3つのこと

老衰の在宅看取りの準備は早めの意向確認からはじまる

本人の意向確認は一度きりでなく繰り返し行うことが重要であることを示す図

老衰の在宅看取りの準備は、本人の意向を早いうちに確認しておくことからはじまります。厚生労働省のガイドラインでも、本人による意思決定を基本とすることの重要性が示されているところです。そのうえで、医療・ケアチームや家族を交えた話し合いを繰り返し行うことも欠かせないとされています※1。

看護師がご本人の意向を聞きながら書き留めている様子

本人の意思は、そのときどきの体調や気持ちによって変わりうるものです。一度確認して終わりにするのではなく、その都度気持ちを伝えてもらえるような関係を保ちながら、繰り返し確認していく姿勢が大切です。

また、本人が自らの意思を伝えられなくなる場合に備えておくことも、早めの準備の1つです。あらかじめ特定のご家族を「本人の意思を推定する人」として決めておくと、いざというときに家族間で判断に迷わずに済みます。私たちも、こうした意思決定に関わるご相談やご家族間の調整をサポートしています。

老衰の在宅看取りを選ぶ家庭が増えている

自宅で最期を迎える人の割合が2000年から2023年にかけて増加していることを示す図

老衰の最期を自宅で迎えることを選ぶ家庭は、年々増えています。厚生労働省の人口動態統計をみると、自宅で亡くなる方の割合は2000年に13.9%程度でした。それが2023年には17.0%程度まで増加しています※2。

私自身、祖母が入院先から自宅に戻った瞬間、慣れ親しんだ家の音や匂い、家族の声に触れて表情が柔らかくなった姿を目の当たりにしました。住み慣れた場所でその人らしく過ごせる時間には、病院では得がたい力があると感じています。こうした実感を持つご家族が増えていることも、在宅看取りを選ぶ流れの背景にあるのだと思います。

老衰の経過を知ることが準備の土台になる

老衰が数週間から数か月かけて進み、最期が近づくと体に変化が現れる経過を示す図

老衰がどのような経過をたどるかを知っておくことが、在宅での看取りの準備の土台になります。老衰の経過は、大きく2つの段階に分けて捉えるとわかりやすくなります。

老衰は数週間から数か月かけてゆるやかに進む

老衰は、数週間から数か月かけてゆるやかに進んでいきます。飲み込む力や胃腸の働きが加齢とともに弱まり、味やにおいを感じる力も落ちていくことで、自然に食が細くなっていきます※3。

急に体調が悪化したように見える場面があっても、多くは体の機能がゆっくりと衰えていく自然な経過の一部です。

最期が近づくと現れる変化がある

最期が近づくと、体にはいくつかの変化が現れます。こうした変化は、数日から数時間の単位で現れることがあります※4。

看護師が聴診器でご本人の様子を確かめている様子
  • 呼吸のリズムが不規則になる
  • 意識がぼんやりして眠っている時間が長くなる
  • 食事や水分をほとんど摂れなくなる

これらの変化には個人差が大きく、現れ方も人それぞれです。あらかじめ知っておけば、いざというときに慌てず、本人にそっと寄り添う心の余裕が持てます。

最期が近づいた際に現れる3つの体の変化を一覧にした図

老衰の在宅看取りで準備すべき3つのこと

老衰の在宅看取りで準備すべき3つのことを一覧にした図

老衰の在宅看取りには、事前に整えておきたい準備があります。準備しておきたいことは、大きく3つに分けられます。

本人の意向を早めに確認しておく

1つ目は、本人の意向を早めに確認しておくことです。医療的な処置をどこまで望むか、最期をどこでどう過ごしたいか。ご本人の考えを早いうちに確認し、繰り返し話し合っておくことが、後悔のない在宅看取りの土台になります。

夜間に起こりやすい変化への備えを整えておく

2つ目は、夜間に起こりやすい変化への備えを整えておくことです。老衰の看取りでは、夕方から朝にかけての時間帯に、次のような不安な場面が起こりやすくなります。

看護師がベッドで休む方の血圧を測っている様子
  • 痰が詰まる
  • お通じが出てしまう
  • 急に息が止まったように感じる
  • 熱が出る

私たちは、こうした夜間の不安に付き添い、必要に応じて医師にもつなげる体制を整えています。ゆっくりと休める夜があるだけで、家族の気持ちはずいぶん軽くなるのです。

老衰の看取りで夜間に起こりやすい4つの不安な場面を一覧にした図

医療より「その人らしい時間」を優先する視点を持つ

3つ目は、医療的なケアだけでなく、「その人らしい時間」を優先する視点を持つことです。次のような時間は、保険の訪問看護では時間内に十分取りづらいことがあります。

看護師が女性と手を取り合い、笑顔で話している様子
  • マッサージやアロマ
  • 歌う、髪を結う、お化粧をする

私たちは、こうした1つ1つの時間を大切にし、本人の生い立ちに耳を傾ける時間を持つこともあります。医療の安全性を保ちながらその人らしさを大切にする視点こそが、穏やかな最期への近道です。

老衰の在宅看取りの準備は何からはじめればいい?

老衰の在宅看取りの準備に迷ったときは、まずかかりつけ医に相談することからはじめてください。本人の状態を一番よく知る医師に相談することで、今後の見通しや必要な準備が具体的に見えてきます。

お住まいの地域包括支援センターも、介護に関する相談を幅広く受け付ける総合相談窓口です※5。医療的なケアが必要な場面では、訪問看護ステーションとの連携も欠かせません。

迷ったときに確認しておきたい相談先は、次の3つです。

  • かかりつけ医(本人の状態を一番よく知る相談相手)
  • お住まいの地域包括支援センター(総合相談窓口)
  • 医療的なケアが必要なときの訪問看護ステーション

私たちロイヤルナースも、こうしたご相談の受け皿の1つです。ICU・脳神経外科での経験を持つ看護師が、医療の安心感とホスピタリティの両方から老衰の在宅看取りに伴走します。

あらかじめ予定を組んだ夜間・深夜の訪問には、実際に看護師が伺える体制を整えています。突発の緊急コールへのご相談は、会員制サービス「ロイヤル倶楽部」にご加入いただいた方限定でのご案内です。

老衰の在宅看取りの準備は、一人で抱え込む必要はありません。迷いを感じた時点で、お電話やLINEでぜひ一度ご相談ください。

参考・出典情報

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